「カムカム・エブリバディ」は音楽を扱ったドラマとしても秀逸だと思います。まずは、裏テーマになるこちらの曲を。
今週、月曜火曜の「カムカム・エブリバディ」は泣けた。このドラマのスタイルで行くと、ひょっとして娘の恋も悲恋か?と思いましたが、どっこい再生の話になってとてもよかった。
(以下ネタバレあるので、ドラマ見てない人は注意!)
るい(深津絵里)は幼い時に、母親の不注意で交通事故に遭います。その際、おでこに深い傷を負ってしまう。それがコンプレックスであり、彼女の引け目であり、自分を捨てた母親を思い出してしまう厄介なもの。ゆえに自分の人生に対しても引いているところがある。
一方、るいに恋したトランペッターのジョー(オダギリジョー)は、トランペットの腕は一流。それ以外はまるでダメという男。ジョーは大阪で開催されたオーディションで優勝し、レコードデビューが決定する。3ヶ月の約束でレコーディングを完成させ、るいを東京へと呼び寄せるはずだったが…。急にジョーはトランペットが吹けなくなる、という病気にかかってしまう。ジョーはるいに心配をかけまいと、大阪へ戻ることをためらう。
半年以上経って、ジョーは世話になっている大阪のジャズ喫茶に戻るが、るいに会うことを拒む。なぜなら、自分のことを思ってるいは一緒に病気を立ち向かおうとするだろう。彼女に迷惑をかけたくない、と。何よりトランペットを吹けない自分は存在する意味がない。それは、彼にとっては絶望だった。ジョーは、東京のレコード会社のオーナーの娘が好きになった。別れてほしい、と嘘をつく。
るいは、それが嘘だとわかるとジョーの元へ足繁く通うが、ジョーは近づかないでくれと懇願する。が、るいはそれでもジョーの元へと通い詰める…。
これが今週の月曜火曜のカムカムのあらすじ。この時のるいは、今までのように失ってしまうことを呆然と見つめるのではなく、自分の人生を、愛する人を奪い返しに行くんだという強い決意が現れる。母親を失い、おでこの傷でコンプレックスを背負い、引いた気持ちで人生を歩んでいたるいが能動的に動いた瞬間。これが今週初めのドラマの一番の見どころでした。おでこの傷も気にせず、ジョーの元へ走るシーンは、朝ドラ史上でも上位にランクインする名シーンだと思います。
さて、二人に子供が生まれることになりますが、ジョーはトランペット以外は何もできない…さてどうなる?